イヤホンやヘッドホンは、両耳用が一般的です。
両方の耳で音を聴くことで臨場感や没入感が高まり、より音楽の世界に入り込むことができる為です。
では、片耳イヤホンが発売されているのはなぜか。
両耳イヤホンを使うと、外の音が音楽によって遮断されてしまい、危険が迫っていても気づくのが遅れてしまいます。
しかし片耳だけならば、片方の耳で音楽を楽しみ、もう片方の耳で外の音を聴くことができるので、危険を回避することができるようになります。
また、私のように片耳が高度難聴である方の場合、両耳イヤホンは使えないので、そういった方に向けて発売されているのも理由ですね。
しかし、片耳イヤホンは間違った買い方をしてしまうと、むしろ音楽を十分に楽しめなくなってしまうこともあります。
そこで、長年片耳イヤホンを使ってきた私の目線から、片耳イヤホンの選び方やメリット・デメリットなどを紹介していきます。
参考になれば良いなと思います。
- 有線を選ぶべきかBluetoothを選ぶべきか
- 片耳イヤホンの選び方とポイント
- Bluetoothイヤホンのバージョンで選ぶのは大事
- 買う時に気をつけてほしいたった一つの事
- 片耳イヤホンのメリット
- 片耳イヤホンのデメリット
- 声優界やラジオ界では片耳が一般的
- まとめ
有線を選ぶべきかBluetoothを選ぶべきか
片耳イヤホンには通常の有線のものとBluetoothのものの2種類がありますが、どちらを選んで良いのかがわかりにくいと思います。
結論から言えば、どっちを選んでもOKです。
iPhone7以降のスマホを持っている方の場合は、イヤホンジャックが廃止されてしまっているので、充電するジャックに変換パーツをさすことで有線で音楽を聴いていると思います。
廃止されてしまっているからという理由で、私のようにBluetoothイヤホンに変えたり、airpodsにした方も多いでしょうね。
線が絡まるのが嫌であればBluetoothにすればいいですし、充電が面倒なら有線のままでもいいでしょう。
片耳イヤホンにするからと言って、特別今までのイヤホンの買い方と変える必要はありません。
有線を無線に変えた所で、片耳イヤホンであったとしても音質に変化はないので安心してください。
片耳イヤホンの選び方とポイント
両耳イヤホンと違って、片耳イヤホンは本体は一つしかありません。
知っている方もいると思いますが、意外と忘れがちなのが「音楽は左右で流れている音が違うステレオ音声が一般的である」ということです。
これは最初に書いたように臨場感や没入感を演出するためにわざと行っていることなのですが、ここが片耳イヤホンの一番の課題です。
左右それぞれから流れている音は、ステレオだからこそ実現できる分割な為、本来は合体させることは困難です。
元々モノラルで収録されたものではないので、音信号は2種類になっています。
しかし、これを一つの出口だけで聴こうとすると、どちらかの音が完全に消されてしまいます。
無理やりモノラルに変換するためのパーツは発売されていますが、確かに一つの音に合わさって聴こえます。しかし、多少音にバラつきが出てしまうんです。
なので、片耳イヤホンを買うなら左右の音が比較的均一に聴こえるものを選ぶようにしてください。
有線の片耳イヤホンを買おうと考えているなら私の経験上YAZAWAのカナル型片耳イヤホン一択になります。
これなら左右の音は均一でちゃんとどちらの音も合体されて聴くことができます。
また、カナル型と言われるものなので、耳へのフィット感が高く、外の音を遮断しやすくなります。
Bluetoothイヤホンを選ぶ時、表記はほぼ全て「モノラル」と書かれていると思います。
しかし、モノラルという表記があるからと言ってステレオ音声の片方が聴こえてこないということはありません。
片耳イヤホンの仕様として片方しか存在しないイヤホンの場合は、全ての商品が「モノラル」となるのであまり気にしなくても問題ありません。
ワンポイント
ジャックに刺すイヤホンの銀色のパーツがあると思いますが、ここに黒の溝(?)みたいなものが見えますよね。
あの溝が、モノラルかステレオかを分けている部分らしく、モノラルは黒の溝が一本のみで、ステレオだと二本あります。
なので、片耳イヤホンを買う時、黒の溝が二本あるものを選べば、ステレオ音声を合体させて一本で聴ける商品である、と考えてOKです。
Bluetoothイヤホンのバージョンで選ぶのは大事
Bluetoothイヤホンには、1.0~5.0までのバージョンがあります。
単純に、バージョンが良くなれば性能は良くなりますが、バージョンが上がれば省エネであったり、転送速度が高くなったりします。
今主流になっているのは4.0以上のもので、Bluetoothのバージョンには下位互換があるため、使っているiPhoneやタブレットに搭載されているバージョン以上のものを選んで使うと良いと思います。
Bluetoothのバージョンは、使っているハードウェアに設定されているものなので、アップデートはできません。必ず使えるものを選びましょう。
買う時に気をつけてほしいたった一つの事
片耳イヤホンを買うなら、必ずしてほしいのは「お試し視聴」です。
今のBluetoothイヤホンはどうなのかわからないですが、私が初めて買った時、色んな片耳イヤホンを試しに視聴させてもらいましたが、中には分割された右側の音がちゃんと聴こえてないものがありました。
普通に音楽を聴いている分には全く問題なく聴こえているのですが、音が完全に左右できれいに分かれていて、右側からしか出てなくて、左側では一切流れてない音の場合、片耳イヤホンでは聴こえてこない場合があります。
簡単に言えば「左右で完全に分割されていて、右側からしか流れてない音は消えることがある」ということです。
商品によってはしっかりと聴こえているものもありますが、そうではないものもあるので、店頭で聴かせてもらうことをお勧めします。
追記
2019年11月30日時点では、以下の記事で紹介した片耳イヤホンを使っています。
この商品は、使用してみた感じステレオ音声を片方で合体させて聴くことができるようになっています。
片耳Bluetoothイヤホンは、今はどの商品を選んでも比較的に均等に左右の音を合体させて聴くことができるようです。
ただ、選択肢が少ないので、好みや耳へのフィット感で選ぶのが良さそうです。
数曲程度、試しに聴く曲を選んでおく
合わせてお勧めしたいのは、必ず左右で完全に分割されて流れる曲を数曲用意しておくこともお勧めします。
私の場合は、以下の曲を必ずお試し視聴で使用します。
・エスカピズム(アンティック-珈琲店-)
・ポケットカウボーイ(電気グルーヴ)
・Humanity(SHAZNA)
エスカピズムは冒頭のギターソロが完全に右側のみから流れていて、Aメロの「あ~あ~」と歌っている部分も左右で交互に流れています。
ポケットカウボーイも冒頭の音楽が左右で交互に分割されていて、Humanityはサビ手前の「one more chance!」という歌詞が完全に右側からのみ流れています。
エスカピズムとポケットカウボーイは、ちゃんと聴こえるものが多いですが、Humanityに関しては、今までちゃんと聴こえている片耳イヤホンは見つけられていません。
HumanityはSHAZNAの「10th Melty Life」に収録されています。
このように、ちゃんと選ばないと曲そのものを楽しめないこともあるので、しっかりと確認してから買う方が良いでしょう。
ちなみにですが、演奏の左右の分割は、片耳イヤホンでも比較的簡単に合体させて聴けるようになりますが、ボーカルの左右の完全な分割は、右からだけ聴こえている場合、高確率で聴こえません。
最悪、諦めるしかないかもしれませんね。
片耳イヤホンのメリット
両耳で聴くからこそ音楽に臨場感を感じることができますが、片耳イヤホンではそれが削がれてしまいます。
では、片耳イヤホンを買うのはデメリットでしかないのかと考える人も多いでしょう。そもそも不要だと思う人もいると思いますので、片耳イヤホンのメリットを挙げましょう。
・外の音が聴こえるので危険を回避できる
・片耳難聴を持つ方の場合、片耳でほぼすべての音を聴くことができる
外の音が聴こえるので危険を回避できる
一番のメリットは「外の音が聴こえるので危険を回避することができる」こと思います。
両耳イヤホンを使うと、音楽を最大限楽しむことは可能ですが、外の音が遮断されてしまうので、自転車や車が近づいていても気が付くことができません。
なので、最悪事故に巻き込まれてしまう可能性も高いのです。
しかし、片耳イヤホンであれば片方の耳では音が鳴っていますが、もう片方の耳は空いているので外の音を聴くことができます。
なので、後ろから何かが近づいてきていてもすぐに気が付くことができます。そういう意味では、片耳イヤホンを使うのには大きなメリットだと言えるでしょう。
片耳難聴を持つ方の場合、片耳でほぼすべての音を聴くことができる
まだ記憶に新しいですが、堂本剛さんが突発性難聴で片耳が聴こえなくなってしまったというニュースがありました。
突発性難聴という病気は、誰にでもいつなってしまってもおかしくないものです。そうなった時、片耳が聴こえない状態で両耳イヤホンを使うのは、あまりにも不便です。
また、私のように元々片耳が高度難聴によって聴こえていないような人の場合、無理して両耳イヤホンを使っている人も少なからずいるでしょう。
そういった方でも、片耳イヤホンを使うことで左右両方から流れている音をある程度合体させた状態で片耳で聴くことができるので、音楽を十分楽しむことができます。
片耳イヤホンのデメリット
次に、片耳イヤホンのデメリットを挙げていきましょう。
・臨場感や没入感が減る
・両方から流れている音がきれいに流れないことがある
・音楽に集中できない
臨場感や没入感が減る
片耳イヤホンの一番のデメリットだと思いますが、本来両耳で楽しんで、音楽の世界に浸れるのが良さなのに、それが減ってしまいます。
「両耳で聴くことで全方面から聴こえている感じがして、ライブ感などを楽しんでいる」という人には向かないと思います。
片耳は音楽が流れ、もう片方の耳では外の音が聴こえているので仕方がない部分でもありますね。
両方から流れている音がきれいに流れないことがある
選び方のポイントでも紹介しましたけど、本来音信号が2種類になって収録されているものを片耳で聴こうとしているので、上手く合体しないことがあります。
なので、どうしても右側から聴こえてくる音が消えてしまったり、聴こえているのに弱く、小さく流れてしまっているなどの状態が起こってしまいます。
音楽に集中できない
臨場感が減る、というのにもつながる部分ですが、片耳は外の音を聴いているので、音楽に集中できない場合があります。
安全面を考えれば正解ではあるのですが、両耳で聴いていた方がいきなり片耳で聴こうとすると違和感を覚えてしまうと思います。
慣れれば問題ないと思うんですが、それを嫌う人もいるでしょう。
声優界やラジオ界では片耳が一般的
一般に使われるのは両耳イヤホンですが、片耳イヤホンが今でも活躍ている世界があります。
それが、声優界とラジオ界です。ただし、イヤホンではなくヘッドホンですが・・・。
この二つの世界の特徴は、「どちらも音声を聴きながら指示を聞くから」です。
声優の場合は、アニメでは使うことはないですが、洋画の吹き替えの際には、原語版の音を聴きながら尺を合わせて声をあてていくので、音を聴くためにはヘッドホンは当たり前に使います。
しかし、その一方で、プロデューサーさんや音響さんの指示も聞かないといけない場面も多々あります。
その為、両耳イヤホンだといちいち外して聞かないといけないため、付けたまま指示が聞けるように片耳ヘッドホンを使います。
ただ、ブースとコントロールルームが離れているスタジオもあるので、そういった場合はヘッドホンから指示が流れてくるので、両耳ヘッドホンが置かれていることもあります。
ラジオに関しても同じです。
特にラジオの場合、ゲストと会話をしながら音響さんの指示を聞いたりする場面がほとんどなので、片耳はゲストさんとの話を聴くようにあえて片耳ヘッドホンを使用しているのです。
MCが一人で番組を全部仕切っている場合は話が変わってきますが、MCとゲストが毎回出演するような番組が多いので、片耳ヘッドホンが推奨されているのです。
まとめ
片耳イヤホンを選ぶ時、音楽がしっかりと楽しめるかどうかはとても大事になります。
音信号が分かれて収録されているのが普通なので、片耳イヤホンでは限界もありますが、安全性を考えて購入を検討されているならば、一度視聴をしてから、納得して買うことをお勧めします。
私の経験上ですが、色んなものを買ってみて、安く購入できるから悪いということはありません。
100均で勝ったイヤホンでも音を合体させて聴くことができるものもありました(音質は保証できませんが)。
なので、納得して購入できれば是非参考にしてみてくださいね。