ゆうりの日常

イラストレーターであり絵本作家でもあり、シンプリストでもある。ちびキャラ記事、シンプル生活の記事、商品レビュー、イベントレポートを中心に記事を執筆中

なぜ「デジタルでアナログっぽく」が絵のコンセプトになったのか

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この話、意外としたことがないと思います。

 

私の絵のコンセプトは「デジタルでアナログっぽく」です。

 

この言葉は私くらいしか使ってないでしょうね(笑)一般的にはデジタルで描くならデジタルの良さを存分に活かそうとするはずですから。

 

でも私はそれを拒否しました。

 

拒否したというか、自分の見たい絵と違ったからやらなかったという方が正しいかもしれません。

アナログで仕事ができるならしたかった過去の私

イラストレーターとして活動をする上で、障害になったのは描くための方法でした。

 

私はできるならアナログで絵を描きたかったタイプでした。

 

アナログの独特な質感が好きですし、見ていて作者の内面が映るような気がしているから。

 

線一本一本に個性があり、それでいてそれが集まってできた画面の構図が目を奪われるくらいの圧倒感がある。

 

それが好き。

 

デジタルは、その点で言えば絵が綺麗になってしまうので見栄えの点で言えばアナログを超えているかもしれません。

 

でも作者の内面はあまり見えてきません(と思っている)。

 

構図は素晴らしくて、個性的な絵を描かれる方でもどこか機械的に見える部分が出てしまう気がしています。

 

もちろん私の感覚なので、人によって意見は様々でしょうけど。

 

そんな理由からアナログにこだわりたかった。でもそれはできませんでした。

 

仕事としてやっていく以上、デジタル制作が主流になってしまっているため、それが求められてしまいます。

 

結局アナログで続けるのが困難なので、デジタル絵の制作を始めたわけです。

デジタルで描いてもアナログ感を出したい理由

一般的には線画が整ったキレイな絵を好む人が多いと思います。

 

私が絵を投稿しても、キレイな線で描かれたデジタルならではの絵が好きな人は見向きもしません。

 

それでも私はあくまでアナログの質感にこだわりたいと思っています。

 

じゃあなんでここまでこだわるのかっていうと、それは「色鉛筆画が好きだから」です。

 

色鉛筆で描かれた絵を描いていた私にとって、自分の絵の原点は色鉛筆でした。

 

画材は色鉛筆画あれば十分だった幼少期を過ごしたんですよね。

 

なので、自然と色鉛筆で描かれている絵に興味や関心が持っていかれます。

 

デジタルで鉛筆的な表現をしようと思った時、ブラシツールの鉛筆を使ってみても、全然鉛筆じゃないんですよね。

 

キレイ過ぎるというか、デジタル的というか。

 

これが私は好きになれなかった。。

 

鉛筆的な表現をどうしても表現したいと思っていた時に、これだって思ったのがざらざらの鉛筆にして描く方法でした。

 

線をかすれさせて、ざらざらした質感にすれば、生の鉛筆のような表現になる、っていうのを見つけて使い始めてからが、今の絵の線画に使うブラシになっています。

 

今の私の理想的なブラシです。

あえてキレイに描き過ぎない線の「エモさ」を出す方法の模索

線をキレイに描きたいと思うのは、自然の考え方です。

 

整った線の方が上手く見えますし、上達した感じがするもんです。

 

が、私はそことも違う方向に行きました。

 

あえてキレイに描き過ぎないように意識しました。

 

それでも描いているうちに慣れてしまうのでそれなりにキレイな線を描くことはできるようになりましたけど、それでもキレイにしすぎないようにしています。

 

例えば、極端にぐにゃぐにゃな線でなければそのままにして整えなかったり、筆圧で微妙に変わる線の色を均等にしないようにあえて粗さを残したり。

 

線の不透明度をあえて少し下げることで色の出方を調整して、微妙なニュアンスで変わるようにしています。

 

こういう微妙なこだわりが今の私の絵を構成してくれているわけですね。

自分の「エモさ」に従って描いた結果が今のコンセプトに繋がっている

絵柄だけでなく、絵を描く時のブラシや設定にいたるまで、全てこだわってこだわってやっとできたのが今の絵柄です。

 

全部自分の中のエモさによってできています。

 

絵柄の個性を気にしすぎるのも悪くはないのですが、こういうブラシの選択、カスタマイズ、色、描き方などを全てこだわって作っていくのもとても大事です。

 

既存のものを使うにしても、人が使わないようなブラシで線を描いてみたり、線の引き方一つでもこだわってみたりしていくことでも個性は全然出すことができます。

 

気に入られるかどうかは二の次。

 

まずは自分の感性に従っていくのが、好きな事を続ける一つの秘訣かもしれません。

 

私は全部にこだわったから辿りつけたものがありました。

 

最初から見つけるのは難しいですが、色んな絵師さんの使っているペンをマネして使ってみて、それをどうすれば自分の絵に合うようにできるのかを探し、時にはカスタマイズしてみる。

 

そうやってできたブラシは、何よりも愛着があります。

 

そしてそれが新しい世界に連れて行ってくれます。

 

描く事も大事ですが、ブラシ選びにも探究心を。

画集発売中

kindleで画集を発売しています。

 

1作目は今の私の絵柄がメインになっている画集になっています。

2作目は過去の作品と今の作品が織り交ざった12作品収録のミニ画集になっています。

 

どちらも無料で全ページ見ることができます。

 

本はかさばってもkindleならかさばりません。

 

1枚は好きな絵が見つかるかもしれませんので、是非覗いてみてください。