お絵描きで良く見かける悩みで多いのが、「線がキレイに描けません」とか「目が左右対称に描けません」とかです。
上手い絵師さんの線画を見てみると、パッと見はすごくキレイに描いているように見えます。また、目などの左右両方に同じパーツがあるものもキレイに描かれているように見えます。
なので、絵を描く人全員がキレイな線画を描き、左右対称な目を描くというイメージがあると思います。
「自分はキレイな線が描けないから絵が下手に見えているんだ」「目の大きさが左右でバラバラだから下手に見えるんだ」って思ってしまうのもわかります。
でも、それは間違いだと思います。
技法書とかには「キレイな線画の描き方」とか「デジタルでキレイな線を描く方法」っていうのは必ずと言って良いほど描かれていますよね。
私も色んな本を読んだので、毎回見ています。
でも私はこう思います。
「機械でもない限りキレイな線なんて描けない」と。
人の手で描く線がまっすぐで正確なはずがありません。定規でも使わない限りは無理です。もしくは、直線ツールとかを使わない限り無理です。
線画を上手く描く方法は無視しよう
正直な話、極端にガタガタでない限りは線をキレイに描くことができなくてもOKです。
仮に、ソシャゲに使われるイラストであっても、キレイな直線にはなっていません。
よく見るとガタガタした線を極力わからないように修正しているからキレイに描けているように見えるだけです。
一発描きでキレイな線が描けたら、それはある意味で神だと思っています。
なので、キレイに線が描けないからといって、悩む必要は全くありません。
自分の中から出てきた線は、その一本一本が個性です。
むしろ修正してキレイな線にしてしまったら、つまらない絵ができてしまうでしょう。
求められたらやればいいだけです。
求められたとしても、それこそゲームに使われるイラストを描くイラストレーターとか、アニメーターとか、そういう人たちくらいです。
多くは、極端におかしくなければそこまで指摘されることはないかなと思います。
もし本当にキレイな線を描きたいと思うなら、illustratorについている機能を使って人工的に線を描いていくくらいしかないでしょう。
それくらい、線画が多少歪んでも問題ないと考えて良いと思います。
私なんて、デジタルで線を描くのが本当に苦手でした。
最初はキレイに描こうとしていましたけど、途中から諦めました。使いやすいブラシを使って、自分らしく線を描く、という方向にシフトしたんです。
線は、個性です。失うよりも活かした描き方をした方が、「唯一無二の絵」なると思います。
左右対称に描けなくてもOK
これも多いですが、特に目に関しては悩む部分ではないでしょうか。
両目の大きさをキレイに合わせて描くのも一つの技術ですし、その方が絵がキレイに見えるのはあります。
でも、プロの絵師さんの絵を線画だけトレースしてみると、一つの事に気づくことがあります。
左右の目の大きさが違う、ということがあることに。
本来は、大きさを合わせて描いた方がキレイですが、あえて違う大きさで描くことで良く見せているということがあります。
そもそも人の目は左右で同じ大きさではありません。必ずアシンメトリーになっています。
つまりは、キレイに描く方が邪道、ということです。
試してみましょう
デジタル環境がある人は試してみましょう。
キレイに描けたと思う目の絵を「コピー&反転」させて描いた方と逆側に配置してみてください。
どうでしょうか?なんか気持ち悪くないですか?
なぜ気持ち悪くなるのかというと、若干寄り目っぽくなってしまったり、変に形が整いすぎてて逆におかしくなってしまっているからです。
この方法、時にはバチッと決まることもありますが、そうでない時もあります。
一つのテクニックとして覚えておくのは良いですが、あまり多用しない方が良いでしょうね。
最後に
キレイに描こうという方に意識をとられ過ぎると、絵を描くことがプレッシャーになってしまって、描くこと自体が嫌いになってしまいます。
趣味で絵を描こうと思っている人も、プロを目指そうと思っている人でも、キレイに描くという意識は、最後の最後で良いと思います。
私は、キレイに描こう、と思わなくなりました。それよりも、自分らしい絵を描こうという方向に意識を傾けるようにしています。
絵は、その人の個性が出るものなので、整えるよりも今あるものを活かす、と思いながら描いてほしいと思います。
ではでは。